バブルがはじけて
「もう、モノ売りの時代は終わった」と言われ出した1990年代後半。
それから、もうかれこれ20年以上経っていると思います。
しかし、世の中を見ると未だに
「モノを売る」という考え方は昔と変わっていないように思います。
それは、某大手メーカー会社の、販売店に向けてのプロモーション指導にも表れています。
「商品の一覧が載ったパンフレットを携帯してお客様に見せましょう!」とか
「商品の機能を解説した資料がありますので活用しましょう!」とか
「お店をアピールするためにノボリやPOPを用意しましょう!」とか
まだそんなことを言っています。
みんな「モノが売れないから売れるようにする」
そんな考えを持っているように思えます。
いっけんもっともらしい考え方に聞こえますが、
これは『考え方の根本がずれている』と私は思います。
商品・サービスを購入するのは誰でしょうか?
そう、お客さまですよね。
そのお客さまが「お金を払いたい」って思って、
お金を払ってくれて商品・サービスが売れるのです。
当たり前のことですよね。
でも、そのお客さまの「お金を払いたい」動機を無視して、
「買ってください」だけ言っても売れるわけないと思いませんか?
では、お客さまの「お金を払いたい」動機って一体何でしょうか?
本日はそのあたりの話をしたいと思います。
あなたが提供されている商品・サービス。
それはお客さまのどんな問題解決になっているでしょうか?
また、あなたのお客さまは、何にお金を払ってくれているのでしょうか?
お金が発明される前の時代、お金がなかった時代ですね。
人々は物々交換をしていました。
「なぜ物々交換するのでしょうか?」
欲しいものがあるからですよね。
ある農夫がいました。(たとえ話です)
農夫は山に住んでいて、
「精魂込めて育てた野菜を、海辺に暮らす漁師の獲ってきた新鮮な魚と交換したい。」
そう思って交換しました。
ところが、交換した後に、
魚が腐っていたり傷んでいたりしたらどうでしょうか?
悲しいですよね。
「もう二度とその漁師とは取引しない」と思ってしまいますよね?
「新鮮な魚を食べたい」「魚のタンパク質が必要」
でも山に住んでいるから、魚は手に入れられない。
それが農夫の持っていた「問題だ」と思います。
その「問題を解決」できる「漁師が獲ってきた新鮮な魚」を手に入れることができる。
だから、「精魂込めて育てた野菜と交換したい」と思ったんだと思います。
これをお金に置き換えると、
「問題解決できる(と思う)からお金を払いたい」になると思います。
「商品・サービスを渡せばいい」ということではなくて、
「問題解決できないとダメ」なのです。
「腐った魚、傷んだ魚」という商品を渡しても、「問題解決にならない」のです。
冒頭にお話しした大手メーカーの話を振り返りましょう。
大手メーカーは何を考えているでしょうか?
商品・サービスを売ることしか考えていません。
お客さまの問題なんてちっとも考えてないと思います。
例えば、エアコンが各部屋に設置されているご家庭に
「もう一台エアコンを買いませんか?」って言っても、
絶対「いらない」ですよね。
それは「エアコンを買うこと」が「問題解決になってない」からです。
はっきり言って「エアコンを買うこと」が「損害」になります。
そういう売り方を「押し売り」と言います。(笑)
それが例えば、こんなやりとりならどうでしょうか?
販売員「エアコン買ってどのくらい経ちますか?」
客「もう3年ぐらいです。」
販売員「では、エアコンの効きはどうでしょうか?ニオイとかありませんか?」
客「そういえば最近ちょっと効きが悪くなってきたような。ニオイもあるなぁ。」
販売員「そろそろエアコンの内部が汚れてきている頃かもしれませんね?私どもは今エアコンクリーニングを行っております。数台まとめてだとお安くできますが、いかがでしょうか?」
客「じゃあ、やってもらおうかな」
これだと、押し売りになってないと思います。(笑)
それは「エアコンクリーニング」というサービスが
「お客さまの問題解決になっている」からです。
まず、「エアコンの効き」「ニオイ」という
お客さまの問題を提起して
「効きを良くする」「ニオイをなくす」という解決法を、
「エアコンクリーニング」という商品・サービスで提供したのです。
そこには、お客さまの「やってくれてありがとう」という言葉がついてくるのかもしれません。
私たちも、
「商品・サービスを売る」ということを考えるのではなく、
「お客さまの解決したい問題は何か?」を考えて、
問題解決となる商品・サービスを提案したいですね。
あなたのお客さまが解決したい問題ってどんなことがありますか?
その問題の解決法ってどんなことがありますか?
あなたの商品・サービスはその問題解決になっていますか?
あなたのビジネスが
少しでも良くなると幸いです。
本日は以上です。
ここまでお付き合いしていただいて
ありがとうございました。
それではまた会いましょう。