私は自然や生物について、進化の歴史など幼いころから興味があった。
自然界には食物連鎖という構図がある。弱肉強食の世界という人もいる。
あるものが他のあるものを食して命をつなぐ。
それ自体は全く問題ないとても崇高な営みだと思う。
食物連鎖の頂点には我々人間が位置しているのだが、
そのことを誤解している人が多いと思う。
自然や生物が本当に好きな方はわかっていただけると思うが、
食物連鎖の頂点に立っているからといって
『人間が一番偉い』ということは決してないのである。
なのに人里近くに熊が出た、人が襲われたといったことが起きれば、
当然のように「害獣駆除」という大義名分のもと、失わなくて良い命が奪われる。
襲ったクマかどうかわからない(多分そうではない)まだ成長しきっていない子グマが殺されたりする。
元々自然だったところに、人間が住み着いて村や町を作って住んでいるだけなのに、そこに元々いた動物が人間にとって邪魔だからというだけで命を奪われる。
こんな理不尽なことが「クマが出た。怖いよね!」と片付けられる。
本当に無知というものは恐ろしい。
無知は暴力ではないかと思うこともある。
(少し怒りのエネルギーが出てしまったかも?)
クマも我々と同じ命のある存在だということ、もっと畏敬の念を抱く必要があるのではないだろうか?
これは人間界でも同じだと思う。
女性議員の秘書に対するヒステリックな暴言や暴力がニュースになっていたが、この人も「秘書より議員の方が偉い」と勘違いしていたんではないだろうか?
高学歴、高収入、国会議員だからといって、偉いわけではない。
人間の歴史を振り返ってみても、身分制度があったり、男尊女卑の世界であったり、奴隷制度であったり、人権侵害的なホロコーストであったり、
元々同じはずの人間に「どちらがどちらより偉い」という様々な勘違いを起こしてきた。
現在においても、上司と部下の会社組織の関係、売り手&買い手の関係、学歴などできる人とできない人の関係 など見えないところで様々な勘違いがあると思う。
組織的に必要な上下関係はあるにせよ、だからといって新人社員より社長が偉いというわけではない。
お金を払う方がお金をもらう方よりも偉いということも決してない。
逆も然り、買ってくださるお客様も獲物ではなく同じ人間。なのに売る方は『顧客獲得』という言葉を平気で使うことがまかり通っている。
「学歴がどうか?」ということは本当は関係ないのに、未だに学歴が神話のようにメディアなどでもてはやされている。
また、これだけできる人、成功した人は素晴らしくて、そうでない人はもっとがんばらないといけない存在みたいなところもある。
何かができる、成功するということは素晴らしいことだと思う。
だけど、だからといってそうではない人より偉いということではないと思う。
人と人を比べて「どちらが偉い」なんて本当にバカげていると思う。
(また少し怒りのエネルギーが出てしまったかも?)
人間の存在、生命の存在って、全て同じ尊い存在ではないだろうか?
全ての人や生命には、どんなに無意味や邪悪に見えることでも何かの意味がある。そこを知って尊重することができればと思う。
一つ一つの存在、命に、目の前の相手にもっと畏敬の念を馳せれば、もっとやさしくて心地よい世界になるのではないかと思う。