『顧客目線』って言葉があります。
『顧客目線』っていうと
「お客さまを思う」とか「お客さまのために」とか、
そんな感じで思っている方も
いらっしゃるかもしれません。
でもよく考えてみると、
「お客さまを思う」とか「お客さまのために」って
誰が思うことでしょうか?
自分自身ですよね?
ということは、これは、売り手目線なんですよね。
じゃあ、本当の顧客目線ってなんだ?
ということですが、
やっぱり、自分が買い物をしているときではないでしょうか?
買い物をしているときって、
「買うか買わないか?」を瞬時に決めなきゃいけないので、
無意識に価値判断をしていると思うんですね。
では、その『価値』ってなんなんだ?
というところを本日は考えたいと思います。
先日、百貨店によるきっかけがあって、
バッグが欲しいなと思って見に行ったんです。
店内には結構たくさんのバッグがあって、
トートバックを見ていたときに、
店員さんが「トートバックでお探しですか?」
と声をかけてきました。
私は、
「トートバッグ探してるんですけど、
別に気にいったらトートバッグじゃなくても良いんです。」
と答えました。
これまでは、ビジネスバック、
ブリーフケースっていうのかな?
そんなちょっと硬い感じのバッグが多かったので、
今回は、ちょっと気分を変えたいな。
柔らかい感じのが良いな。
と思っていました。
店内で良さそうなバッグを何点か手に取って見ていました。
店員さんが親切に「これなんかどうですかね?」って
次々にバッグを持ってきてくれるんですね。
持ってきてくれたバッグが
「違うねん、それじゃないんだよな」と思っていました。
自分の買いたいものって、
意外と説明できないもんじゃないですか?
でも見たら「これ欲しい」、「これいらん」って
わかるんですよね。
「ありがとうございます。勝手に見ているので、また声かけしますね」
と言って、店内を見ていました。
それで、「これ良いな」と思ったあるバッグをしばらく見ていると、
店員さんが
「このバッグの中はこうなっていて、使いやすくなっています。」
私は、
「あーそれは便利ですね。」
店員さんは、
「いかがですか?」と言ってバッグの中身を開けて
こちらの顔をじっと見ます。
「買って、買って」
という声が聞こえてきそうな感じです。
「あ〜、もうちょっと色々と見たいので」
みたいな感じで逃げるように売り場を出ました。
本当はもうちょっとゆっくり見たかったんですが。
結局買わなかったんですが、
私は「欲しい」と思ったら買うのは早いので、
売り場に「良いな」と思うバッグはあっても、
「欲しい」まではいかなかったんですね。
私がバッグを買わなかったのは、
その店員さんが悪かったのでしょうか?
いいえ悪くなかったと思います。丁寧な対応でしたし。
私はそのときに、ピン!と気づいたことがあります。
『店員さんの考える価値と、私の思う価値は違う』ってことに気づいたのです。
店員さんはおそらくバッグに価値があると思っているんですね。
逆にいうと、『良いバッグだったら買ってもらえる』
と思っているのかもしれません。
だから一生懸命「こんな良いバッグがありますよ」って伝えてくれたんです。
確かに私もバッグを見に行ったので
「どんなバッグをお探しですか?」と聞かれたら
「トートバックかな?
ノートパソコンが入って、丈夫で、
色は紺色とか赤とか・・・」ってなるんですよね。
でも、本当はそれが私の欲しい価値ではなかったんです。
私の思う本当の価値は多分違うところにあります。
思い返してみると、
起業して初めてのバッグを買ったとき
そのときの価値を言葉にすると
「有能なコンサルタントになれる(バッグ)」だったのです。
そしてイメージに「ビンゴ!」って来るバッグを買いました。
「有能なコンサルタントが持つようなバッグが欲しい」
って店員さんに言っても
「それはどんなバッグですか?」って
怪訝そうな顔をされるかもしれませんね。
で、私が思ったのはまず、
「有能なコンサルタントが持つようなバッグが欲しい」
というところをまず共感して欲しいってことなんですね。
正確に理解してくれなくても良いんですよ。
その店にビンゴなバッグがあれば買いますし、
なければ買わないですし、
「そうなんですか、この店で一緒に探しましょうね。見つかると良いですね!」
そんなスタンスでいてくれたら良いんです。
だから、突き放したように
「それはどんなバッグですか?」と聞くのではなく、
「有能なコンサルタントさんだったら、こんなバック持つかもしれませんね?」とか
「有能コンサルタントのバッグシリーズ、持ってきました!」みたいな感じだと
嬉しいかもしれません。
今私の欲しいバッグだったら
「メンズバッグって地味で硬いのばっかり・・・
感性の高い貴殿向けの華やかでアバンギャルドなバッグ特集」
みたいなコーナーがあったら立ち寄ってしまいますね。
本日言いたかったことを整理すると、
- 売り手の価値(多くの場合は良い商品)と、お客さまの価値は別のところにあるということ
- お客様の価値を理解できなくても、共感できれば良いということ
です。
あなたのビジネスにおいて、
あなたが考える、あなたのビジネスの価値ってなんですか?
あなたのビジネスに、お客さまが思う価値はどんなことでしょうか?
あなたはお客さまの思う価値に共感していますか?
あなたのお客さまが「共感して欲しい」と思う
価値ってどんなことがありますか?
あなたのビジネスが
少しでも良くなると幸いです。
本日は以上です。
ここまでお付き合いしていただいて
ありがとうございました。
それではまた会いましょう。
この記事の音声ファイルはこちら
>> メルマガ読者様限定:ご購読特典 音声ファイル
※音声ファイルを聞くにはメルマガ登録が必要です。
※過去記事の音声ファイルは予告なく削除する可能性があります。あらかじめご了承ください。
メルマガ登録はこちらからどうぞ
>> 海堀芳弘メルマガ登録