商品・サービスの提供側として、
「自分って一体お客さまに何を提供しているのか?」って考えると、
「意外にわかっているようで、わかっていないな」
というところがあります。
また、お客さまの立場でも、
「自分が一体何が欲しくて買い物をしているのか?」
は「意外にわかっていないな」と思います。
- パン屋さんだったらパンを買いに
- 工務店さんだったら家を買いに
- 映画館だったら映画を観に
それは、そうなんだけど、
お客さまの「欲しい」は、
実はパンや家や映画ではないんです。
「それって一体、どういうことやねん?意味わからんわ!」
そんな風に思われたでしょうか?
同じ商品・サービスを提供しても、
お客さまにとっては。
- 「とても満足、幸せな気分になった!」という場合と
- 「何やコレ!もう二度と買いたくない!」という場合があります。
そのことを「お腹は満たせても、心は満たせない」
そんな風に表現される人がいました。
本日は、
- 私たちはお客さまに一体何を提供しているのか?
- お客さまは何が欲しくて買い物をしているのか?何にお金を払っているのか?
その辺りの話をしていきたいと思います。
私には以前、あるお気に入りのパンがありました。
それはチーズパンなんですが、
それを買って食べるのが、毎回本当に楽しみでした。
あるとき、小麦粉の価格が急騰した時期がありました。
それで、パンが値上げされるであろうことは、
誰もが予想できたことだと思います。
そして、その時期にうちの奥さんが、
そのチーズパンを買ってきてくれたのですが、
「値段変わんないけど、なんか小さくなってるよ!」
と私にチーズパンを差し出しました。
ふと見ると、
もう明らかに小さくなっていました。
その瞬間、私は悲しくなりました。
「前の好きだったチーズパンじゃない!」
「騙された感じがするな」
「小さくするぐらいだったら価格を上げてくれ!」
「お客さんのハッピーより、店の儲けや売れるということを優先したな」
そんなことが一瞬で頭をよぎり、
すごく気分が悪くなりました。
そして決めました。
「もうこの店でこのパン買うの止めよう」
また、これは別の話ですが、
あるファストフード店のモーニングメニューが大好きでした。
そのメニューも、毎回食べるのをすごく楽しみにしていました。
しかし、あるとき、
ドライブスルーで買ったそのメニューのパンが
冷めて固くなっていました。
「なんか美味しくない」
「明らかにだいぶ長いこと作り置きしてたな」
また悲しくなりました。
そしてまた決めました。
「もうこのファストフード店へは行かない!」
どちらも、商品は以前と変わらないものだと思います。
材料や、味、形、価格は同じだと思います。
(まぁパンのサイズは小さくなっているので、事実上値上げと一緒ですが)
でもなぜ、「もうそこでは買わない」とまで決めたのか?
私には、大切にしていたことがありました。
- 私はそのパンやモーニングメニューが大好きだったこと
- それを食べる時間を本当に楽しみにしていたこと
- それを食べる時間がすごくハッピーだったこと
そんな私が大切にしていたことが叶わなかった。
「大切にしていたことを踏みにじられた」
そう感じたからでした。
店側は、「客は商品を買いに来ている」と思っています。
お客さま側も「自分は商品を買いに来ている」と思っています。
でも実は、そうじゃないんですね。
お客さまは、商品購入に伴う
なにがしらの楽しみを買いに来ているんです。
そして、その楽しみにワクワクしているのです。
だから店側としては、そのことを知って、理解して、
大事にして欲しかったんですね。
- 材料代が上がったとき、パンを小さくするか?価格をあげるか?
- 冷めたパンを提供するのか?しないのか?
そんな判断も、『お客さまの得たいハッピー』を
念頭において、考えて欲しいと思います。
すると、「お客さまはどうして欲しいか?」が
すぐにわかると思います。
ある人が言った「お腹は満たせても、心は満たせない」
これは名言ですね。
あなたはどんな商品・サービスを提供していますか?
あなたがお客さまに提供するものって
商品・サービスでしょうか?
あなたの商品・サービスを購入したお客さまは
どんなハッピーを楽しみにされているでしょうか?
そのためにあなたが
守らねばならないこと、気をつけたいことって、
どんなことがありますか?
あなたのビジネスが
少しでも良くなると幸いです。
本日は以上です。
ここまでお付き合いしていただいて
ありがとうございました。
それではまた会いましょう。