先週の記事でお話しした話ですが、
ある社長が
「商談の席でお客さまに「商品の単価を下げてくれないか?」と言われた。」
ということをお話ししましたが、
この時点で相手から単なる仕入先、業者、
商品を取引するだけの関係と思われていたかもしれません。
相手から単なる仕入先、業者と思われるのではなくて、
パートナーと思われるために相手の視点に立って
ということを申し上げました。
本日はパートナーと思ってもらうにはどうしたら良いか?
また違った視点でお話ししたいと思います。
先週の話では、
お客さまの方から「商品の単価を下げてくれないか?」
ということを言われました。
それは、どういう意味があるかというと、
「お客さまの方から問題を提示してきた」
ということになります。
それだけでなく、それプラス
「お客さまの方から解決法も提示してきた」
ということになるのです。
これは、お客さまが問題に気づいていて、
それをこの方向で解決したいと言ってきたということです。
そして、「それに応えようとしていた」ということです。
例えば、お客さまにこんなことを言われたとしましょう。
「集客のできるホームページをつくってくれませんか?」
「広報活動の時間を減らして実業に専念できるようにしたいんです。」
「うちのスタッフが自ら動くように教育をしてもらえませんか?」
いっけんすると、その要望にお応えするのが仕事
だと思われるかもしれません。
「何が問題なんだ!お客さまに仕事を依頼されるのは良いことじゃないか!」
そう思われるかもしれません。
でもこれは、お客さまに言われた問題解決をしているに過ぎないんです。
「問題解決をしてあげることは良いことじゃないか!何が悪いんだ!」
そう思われたでしょうか?
では一体これの何が一体いけないんでしょうか?
まず相手の視点が、
「ホームページから集客ができているかどうか?」
「広報活動の時間が減って実業に専念できているかどうか?」
「スタッフが自ら動くようになっているかどうか?」
そんな、
「自分が依頼したことがきちんとできているかどうか?」
だけに向いてしまうからです。
そうすると相手は、無意識にこちらのことを
「それができて当然、できていないとダメな人」
という条件付けの視点で見ます。
こう見られたときに
立場はどっちが上になるでしょうか?
そう、相手なんですね。
そう見られている関係性の中で
自分の才能や能力は発揮できるでしょうか?
やっててやりがいがあって楽しいでしょうか?
では、どうすれば良いのでしょうか?・・・
答えは、「相手の本当の問題は何か?」を見極めることです。
相手がして欲しいことをやってあげれば、相手のためになるか?
というと、そうとは限りません。
むしろ本当に相手のためになることは、
相手が気づいていないことの中にあることが多いです。
「集客のできるホームページをつくってくれませんか?」
というということは、
当たり前ですが、集客したいと思っているということですよね?
集客したいということは、きっと、今の売上に満足できていなくて、
もっと収益を上げたいと思っていると思います。
よくよく話を聞くと、集客のホームページをつくるより、
今の既存客に違う商品・サービスを提案したり、
リピートを考えた方が収益があがるかもしれません。
その場合ホームページをつくることが
その人のためになるとは限りませんよね。
広報活動の時間を減らしたいと思っている人の多くは、
大概、広報活動の時間を増やした方がその人のためになります。(笑)
おそらくその人は
「実業=やりたいこと」
「広報活動=やりたくないこと」
という風に思っています。
本日は、なぜ広報活動をやった方が良いか?
に詳しく触れる時間がありませんが、
広報活動の本質は
「自分の見込み客(お金の出どころ)についてよく知り、
自分が行っていることがどう見込み客に喜んでもらえるのか?」
を深く考える取り組みだからです。
これは私の価値観ですが、
それをやりたくないという人は、
自分でビジネスをやらない方がいいと思います。
「スタッフが自ら働いてくれるように」
というケースの100%は経営者の問題です。
このことも、話しだすと長くなるので話しませんが、
こう言われたときは、
経営者自身に自ら変わる取り組みをしてもらわなければいけないです。
多くの場合、社員教育より経営者教育が必要だと思います。
お客さまの問題解決をすること自体は
悪くないと思います。
でもそれだけをやっていると、
単なる御用聞きの人で終わってしまいます。
「それを相手がなぜ言っているのか?」
「相手の本当に欲しいものはなんだ?」
それを見たら、問題は違うところに
あるのかもしれません。
相手から末永く頼りにされる、
パートナーと思ってもらうためには、
相手の言う問題解決そしてあげるのではなく、
相手の本当の問題を見つけてあげることが
必要ではないでしょうか?
あなたは、あなたのお客さまと今どんな関係ですか?
お客さまに依頼されることはどんなことですか?
その依頼に応えることは、お客さまのためになっていますか?
お客さまが本当に欲しいことは何でしょうか?
そのためにお客さまに必要なこと、
あなたに提供できることは、どんなことがありますか?
あなたのビジネスが
少しでも良くなると幸いです。
本日は以上です。
ここまでお付き合いしていただいて
ありがとうございました。
それではまた会いましょう。