人って、何かにこだわってしまうときってあると思います。
「これをするにはこのやり方でないといけない」
「こういう風に考えないといけない」
「こうしなければならない」
そのこだわりって、
何か目的があって、その目的をどうやったら実現、達成できるんだろうと
一生懸命考えて、たどり着いてできあがるものだと思います。
それを体系化、言語化したものが、
ノウハウであったり、手法であったり、やり方だったり
ということだと思うんですが、
それが「そうだ」と思いすぎると、
例えば、真逆のやり方を見かけると
「それは違うで!」ってなってしまうと思います。
このやり方、手法でなければならないっていう
こだわりができてしまう。
私もそんなこだわりにはまっていたなって。
本日はそんな話をしたいと思います。
先日とあるところで、ドキュメンタリー映画の鑑賞会
があったので、参加してきました。
その映画を観て、感動というか、
後頭部をバットで『殴られた感じがありました。
「今までやってきたことはなんだったんだ?」と
それぐらい思わせる映画でもありました。
どんなストーリーかというと、
ずっと低迷していたホテルを、ある一人の総支配人が着任することで、
10年間業績を伸ばし続け、お客さまに愛されるホテルになる
というストーリーなんですが、
それだけを聞くと
「どんなことをやって成功したんだ?」って思うかもしれませんが、
実際観てみると、大きくその予想を裏切られることになりました。
その総支配人は、
「やっぱり従業員が満足しなきゃいいサービスできないよ。
顧客満足って言うけど、お客さんの言うこと聞いてサービスしても、
よそが良いサービスしたらすぐ浮気しちゃうでしょ?」
なんて言われます。
「私は、それはどうなんかな?」って
ちょっと怒りも入りながら映画の冒頭は観ていました。
どんなエピソードがあったかっていうと、
あまり美味しくなかった社員食堂を、
「ご飯が美味しくないと、がんばってサービスしようと思わないでしょ?」
と言って美味しい社員食堂に変えたり、
それもスタッフを一切変えずにですよ。
一人一人のスタッフの名前を言って
「ありがとうね、この子がんばって働いてくれてるんですよ!」と
嬉しそうに従業員さんに話しかけられたり、
「みんな」という言い方ではなく「〇〇さん」という風に
お一人お一人を見て、すごく大切に思っている感じが伝わってきました。
そうすると、従業員の方は、
仕事を「どうしたら良くなるだろう?」って
自分たちで考えてやり出すんですね。
しまいには、会社側が「賃上げしよう」って言ってるのに、
従業員側から「いや賃上げすると、利益が残りません、やめてください!」
みたいなことも起こったそうです。
普通の賃上げ交渉なんかと真逆ですよね、
信じられないでしょう?
そんなエピソードをたくさん観られた映画だったんですが、
残念ながら駅周辺の再開発で、
そのホテルが入ったターミナルビルが取り壊しになるので、
そのホテルは営業を終了することになったのですが、
最後の営業の日に、総支配人が
「こんな体験できて幸せやな、本当に幸せ」って言ってた姿が
本当に満足されたご様子でした。
従業員の方も、みんな
「ここで働けて本当に幸せでした」って
涙ながらに口を揃えておっしゃるんですね。
この映画を観て、
- 一人一人をこんなに愛情深く見つめることができるんだ
- 自分を見てくれる人がいると、人はこんなに幸せになるんだ、ハッピーになれるんだ!
- 「よし、がんばろう」ってなれるんだって
すごく感動しました。
経営のノウハウとかテクニックって
なんなんだって、少し思いました。
私は従業員満足というのは、
顧客満足の中にある、そこから生まれると思っていました。
「お客さんに喜んでもらうことが幸せ」
だから従業員も満足できる、幸せって思ってたんですが
この総支配人は「従業員が幸せに働けることが一番」とおっしゃいます。
それで結果的に、お客様へのサービスも良くなって、
顧客満足度も上がり、業績も10年連続アップ。
「やり方とか、手法ってなんでも良いねや!」って思いますよね。
私自身も、
「顧客満足じゃなきゃダメってこだわってたな」
ということに気づかされました。
今後も、こだわってしまうことが
何度も出てくると思うのですが、
自分がまず、こだわっていることに気づいて、
そのこだわりを手放して、
目の前の人をもっと温かい目で見れるような
そんな人間になりたいと思いました。
あなたが「こうでなければならない」って
こだわっていることはありますか?
そのこだわりを手放すとどうなるでしょうか?
『こだわる』ことで
あなたが本当に欲しかったことはなんでしょうか?
あなたのビジネスが
少しでも良くなると幸いです。
本日は以上です。
ここまでお付き合いしていただいて
ありがとうございました。
それではまた会いましょう。
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