問題が何か?を見つける力。
問題を解決する力。
それは、ビジネスで、というか、人生の様々な場面で
必須とされているスキルですよね。
前向きで、頭の回転が早い人ほど、
問題を見つけるのがうまくて、
「どうすればこの問題を解決できるだろうか?」を
考えていると思います。
でも実は、ここに落とし穴があります。
「問題を解決しようとすると、なかなか前に進めない」
私は、そんな場面をいくつか見てきました。
「問題を解決しようとするとうまくいかない」ってどういうこと?
本日はそんな話をしたいと思います。
ある会社のミーティングで、
ホームページからのお問い合わせ・成約状況を確認していました。
その会社は、データの管理をきちんとされていて、
年ごと、月ごとにお問い合わせ数、成約数、売上、利益を
数値化、グラフ化しているので、
非常に何が起こっているのかわかりやすいです。
で、そのデータを確認していると、
ある3ヶ月間のお問い合わせ数がいつもより増えていました。
でも成約数はいつもとあまり変わらない。
というか少し減っていました。
「なんでだろう?」と思って、担当者に確認しました。
「この間の3ヶ月、お問い合わせ数は増えていますが、
その割に成約数が少ないと思うんです。
ここで何が起こっていたのか確認したいのですが?」
そう尋ねると、
担当者は
「それは問題ですね、
なんで成約できていないのか?確認してきます。」
と言われたので、
「いや、ちょっと待ってください、
私はなぜ成約できなかったか?を聞いているのではなくて、
この間、何が起こっていたのか?
事実の確認をしたいだけなんです。」
その担当者は、顔がハテナのまま、
「なんで成約数が少ないんですかね?
お問い合わせ数がこんなにあるのに、
こんなに落としているなんて!
早く問題を解決しないと!」と
なんか心が浮き足立った様子で
右往左往してしまっていました。
この件で一体何が問題だったのでしょうか?・・・
まず私は、事実を知りたかったのです。
その3ヶ月間に、
- どんなお問い合わせ案件があったのか?
- 各案件ごとのお問い合わせ後の進捗状況は?
その2点が知りたかったのです。
事実を確認しないことには、
- 問題は何か?
- あるいは問題があるのかないのか?
わからないからです。
でも、担当者は、
「お問い合わせ数が多いけど、成約数が少ない」
という事実を見ただけで、
「問題だ!」と思ったんだと思います。
もしかして「責められてる!」と思う人もいるかもしれません。
「問題である」を前提にしてしまうと、
自分たちがしたことが問題になってしまいます。
それではどんな人も気分は良くないですよね?
だから、「何がアカンかったんやろ?」と
担当者も心がザワザワして浮き足立っていたんだと思います。
つまりネガティブな感情に支配されて、
冷静な思考や判断、行動がしづらい状態になってしまうのです。
そんな状態で「解決しなければ!」と思っても、
ろくな解決法は見つかりませんし、
第一、問題だと思っていることそのものが
間違っているのであれば?・・・
私が事実を確認したかったのは、
「そもそも問題があるのかないのか?」まだわからなかったからです。
案の定、そのときもよくよく確認していくと、
その会社がしたことに問題はありませんでした。
これは誰にでも起こることだと思います。
今後は、私も聞き方や聞くときの姿勢を
考えなければならないなと思いましたし、
自分が「問題だ!」と思ったときは、
事実をちゃんと見て
「そもそも問題かどうか?」を確認しようと思いました。
こちらが、クライアントから貴重な学びを
体験させていただいている感じです。
あなたは、これまで何か「問題だ!」と
思った出来事はありましたか?
そのとき何を「問題だ!」と思ったのでしょうか?
そのときの心の状態はどんな感じでしたか?
その問題は解決できましたか?
その問題は、本当に問題だったのでしょうか?
あなたのビジネスが
少しでも良くなると幸いです。
本日は以上です。
ここまでお付き合いしていただいて
ありがとうございました。
それではまた会いましょう。